【特集】コンプレッション
自閉症の子どもに「コンプレッション(圧迫刺激)」が効果的? 深部圧刺激で心が落ち着く理由
今回は、自閉症の子どもに「コンプレッション(圧力)」がどうして良いのか? というテーマについてご紹介したいと思います。
最近、インターネットやテレビで「圧力」や「重い毛布」などが自閉症や発達障害の子どもに良い影響を与えると言われているのを見たことがあるかもしれません。
では、実際にそれは本当に効果があるのでしょうか?
コンプレッション(圧力)がどんな風に役立つの?
まず、深部圧刺激(DPT)という言葉を聞いたことがありますか?
これは、体にやさしい圧力をかけることで、子どもの心を落ち着ける方法のことを指します。たとえば、重い毛布や圧力ベストなどがその一例です。
何かが体にかかっていると、どうして心が落ち着くのでしょうか?
私たちの体は、特に不安や興奮しているとき、感覚がとても敏感になります。
深部圧刺激は、体にしっかりとした感覚的な入力を与えることで、神経がリラックスし、心も落ち着く効果があると言われています。
簡単に言うと、体に軽く「しっかりした抱っこ」をしてもらっているような感覚です。
実際にどういう効果があるの?
実際に、いくつかの研究でも、自閉症の子どもたちが深部圧刺激でリラックスしたり、集中できるようになったという報告があります。
たとえば:
- 過敏な感覚を和らげる:自閉症の子どもたちの中には、音や光、触られることにとても敏感な子がいます。圧力をかけることで、そうした感覚を少し抑えることができ、安心感を感じやすくなることがあります。
- 不安や興奮を減らす:特にストレスがかかる場面では、圧力を感じることで心が落ち着き、過剰な興奮や不安が和らぐことがあります。
- 睡眠の質が良くなることも:重い毛布などを使うと、寝ている間も安心感が持続し、ぐっすり眠れるという子どももいます。
使ってみるべき?
コンプレッションがすべての子どもに効果があるわけではありません。
例えば、重い毛布が嫌だと感じる子もいますし、圧力を強すぎると逆に不快に感じることもあります。
大事なのは、子どもがどんな感覚を持っているかを理解することです。
もし、圧力が有効だと思う場合は、専門家のアドバイスを受けながら、少しずつ試してみるといいでしょう。
例えば:
- 重い毛布:寝るときに使ってみる。夜寝る前に軽く体にかけて、安心できるかどうかを見てみる。
- 圧力ベストやバンド:遊んでいるときや落ち着きたいときに使ってみる。
実際にどうやって始める?
もしお子さんに圧力を試してみたい場合、まずは少しずつ始めてみましょう。
例えば:
- 軽い圧力から始める:まずは軽い圧力をかけて、子どもの反応を見てみましょう。
- 気持ちよさそうな時を選ぶ:ストレスを感じているときや興奮しているときに使うと、効果を実感しやすいです。
- 無理しない:まずは短時間から、子どもが嫌がったり、圧力が強すぎると感じたらすぐにやめて、次回は少し優しくしてみましょう。
まとめ
圧力をかけることが自閉症の子どもたちに効果的な場合があるとする研究結果もありますが、すべての子どもに当てはまるわけではありません。
大切なのは、お子さんがどう感じるかを大事にしながら、少しずつ試してみることです。
もし効果が感じられるなら、それを続けてみてもいいかもしれません。
お子さんが少しでも安心感を感じられる方法を見つけることができるといいですね。
何か新しいことを試すときは、いつもお子さんの反応を見ながら、焦らず進めていくことが大切です。